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理事長 森 裕二
当院は、平成25年4月に徳島県が設置する地方独立行政法人徳島県鳴門病院として開設以来10年間、県北部の中核病院として救急医療や災害医療等に取り組んで参りました。本年は、前身である健康保険鳴門病院がこの鳴門の地で運営を始めてから数えて70年目の節目の年にあたり、これまで当院を支えて頂きました全ての皆様に心から感謝申し上げます。
私が就任致しました令和元年は、その前年の糖尿病・内分泌センター及び脊椎脊髄センターの開設に続き、最新型のリニアックの本格稼働やPET-CTの導入など、病院機能の向上による経営の健全化に取り組み始めた時期と重なります。
その後、厚生労働省の再編統合対象病院としてマスコミを賑わし、医療現場や患者様には不安が広がりましたが、皆様のご支援をいただいた結果、対象医療機関でなくなった旨、厚生労働省から謝罪を受け、安堵したことが思い出されます。
新型コロナウイルス感染症への対応においては、帰国者接触者外来の設置、重点医療機関としてコロナ病棟整備工事や患者の受入、発熱外来の設置など、施設整備・体制整備に追われる一方で、複数回にわたる院内クラスターを経験するなど、大変苦しい時期を、全職員が一丸となって乗り越えて参りました。この間に、蓄積した感染制御の仕組みづくりや治療の経験は、今後の新興感染症への備えとして十分に役立つものであると確信しております。
現在は、南海トラフ巨大地震に備えた防災機能強化のため、津波防潮壁及びへリポート建設工事に着手するとともに、ポストコロナを見据え、感染症に即応可能となるリバーシブル構造の地域包括ケア病棟、救急・総合診療センター、感染制御センターや災害医療センターの開設準備を進めるなど、病院機能の充実強化に取り組んでおります。
今後も、当院が鳴門市を中心に県北部はもとより、香川県東部や淡路島を含む地域医療の砦として、地域の皆様から信頼され、期待され、愛される病院づくりを目指し、職員と共に誠心誠意取り組んで参りますので、皆様には、これまで以上にご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。