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循環器内科 CIRCULATORY

特色

当院は、徳島県では吉野川より北側で唯一の、急性心筋梗塞などの急性心血管疾患に対応可能な二次救急病院です。現在、当科は循環器内科専門医2名が常勤として診療しており、急性心筋梗塞を含む虚血性心疾患をはじめ、心不全、不整脈、弁膜症、動脈硬化疾患など、幅広い心血管疾患に対して診療を行っています、救急搬送や当日紹介にも対応していますので、近隣の先生方においては心血管疾患でお困りのことがございましたら、直接お電話でご相談ください。
心不全や不整脈などの循環器疾患は高齢化に伴い、近年爆発的に増加しています。また循環器領域では新しい治療薬や診療指針も出てきており、循環器疾患を取り巻く状況は目まぐるしく変わっています。当科では徳島大学病院の支援もあり、最新の技術や医療機器を用いて、循環器疾患の患者さま方の診療に尽力しています。
循環器疾患は1分1秒を争うことが多く、高齢化の影響もあり、遠方での診療が難しいことも少なくないため、当院では各医療圏で診療が完結するのが望ましいと考えています。当科では近隣の先生方にご協力いただきながら、急性期から慢性期まで鳴門医療圏で循環器疾患の診療を完結できるよう、診療に当たっています。
毎週水曜日には徳島大学病院循環器内科より教授 佐田政隆先生、准教授 若槻哲三先生が来院されています。佐田教授には外来診療をご支援いただいており、若槻准教授にはカテーテル検査・治療をご協力いただいております。また第2、4金曜日には徳島大学病院 心臓血管外科の医師が月2回、外来診療を行っています。大動脈瘤や下肢静脈瘤、心臓術後などでお困りの患者さまがいらっしゃいましたら、ご紹介ください。

対応疾患

虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)

症状:胸痛、息切れ 背中や肩、首回りの痛みや不快感
動脈硬化により心臓の血管が狭くなると、血液の流れが悪くなり、心臓に必要な酸素の供給が少なくなります。階段や坂道を歩いたときなど、心臓に負担がかかると、心臓が一時的に酸素不足となり、胸を押さえつける感じや締め付けられる感じが生じます。この状態を狭心症と言い、症状はゆっくり休むと数分で良くなります。一方で心臓の血管が突然詰まってしまうと、心臓の筋肉が急激に傷んでしまい、強い胸の症状が20~30分以上続きます。この状態を急性心筋梗塞と言い、命にかかわるだけでなく、大きな後遺症を伴うこともあります。狭心症が疑われる場合はなるべく早く、急性心筋梗塞の場合は緊急で治療を行う必要があります。

心不全

症状:労作時や安静時の息切れ 四肢や顔面、体幹の浮腫
心臓は全身に向けて血液を送り出すポンプの役割を持っています。心不全とは、この心臓の機能がうまく働かなくなった結果、全身や肺に水が溜まり、浮腫みや息切れ、息苦しさを引き起こします。心不全の原因には多種多様であるため、原因疾患に合っていない治療ではなかなか改善せず、むしろ増悪してしまうこともあります。必要な検査を行い、原因疾患を明らかにした上で患者さまそれぞれに合った適切な治療が望まれます。

不整脈

症状:動悸 失神 めまい 労作時の息切れ
不整脈は主に脈が速くなる不整脈と、脈が遅くなる不整脈があります。脈が速くなる不整脈に対しては脈拍数を抑える薬や不整脈自体を抑える薬を用いて治療を行います。一部の不整脈ではカテーテル治療が奏功するため、必要があればカテーテル治療を勧めさせていただきます。一方で遅くなる不整脈に対して確立した薬物治療はありません。脈が遅いことで症状を生じる場合はペースメーカー植え込み術が必要となります。

弁膜症

症状:労作時の息切れ 失神
心臓の中には血液が逆流しないように一方通行の扉が複数あり、これを心臓弁と呼びます。心臓弁膜症はこれらの扉が開きにくくなったり、閉じにくくなったりすることで心臓に負担がかかってしまう疾患です。まずは薬物治療で心臓の負担をとっていきますが、重症の場合は手術が必要になります。現在は外科的手術でも小さな傷だけで手術できる場合があり、また一部の弁膜症においてはカテーテル治療も行われているため、身体に対する負担が以前に比べて小さくなってきています。

動脈硬化疾患

症状:歩いた時の脚の痛みや怠さ、動いていない時の足のしびれや痛み
脚を栄養する血管に動脈硬化が進行し、脚への血流が低下してしまう疾患です。初めのうちは歩いた際に脚の痛みや怠さを自覚しますが、血流が更に低下すると、動いていない時でも足の痺れや痛みを認めます。感染や傷が出来たことを契機に足先の組織が痛むと、脚を切り落とすこともあります。治療としては薬物治療が第一選択になりますが、改善に乏しい場合はカテーテル治療で狭い血管を広げ、血流の改善を図ります。

検査・治療

心臓カテーテル検査・治療

当院には日本心血管インターベンション治療学会の認定医が1名在籍しており、安定狭心症だけでなく、不安定狭心症や急性心筋梗塞といった緊急疾患にも対応しています。予測が困難な疾患ですので、平日の日中のみだけでなく、時間外にもなるべく対応できるように尽力しています。不安定狭心症や急性心筋梗塞が疑わしい場合にはお電話でご紹介ください。緊急での心臓カテーテル検査・治療はもちろん、循環動態が不安定な場合は一時ペーシングや大動脈内バルーンパンピング(IABP)、経皮的心肺補助法(PCPS)などの循環補助装置を併用し、集中治療管理も行っています。
毎週水曜日は徳島大学病院 循環器内科准教授の若槻哲三先生にご協力いただき、より高度でより安全なカテーテル検査・治療に努めています。

冠動脈CT

当院では320列640スライスの高性能CTを導入しています。冠動脈CTは入院せずに外来で冠動脈評価ができるだけでなく、特異度が高い検査であるため、スクリーニング検査として有用です。一方で冠動脈の石灰化が強い場合や腎機能の悪い方は冠動脈CTが出来ない場合があり、また感度はそこまで高くないため、確定診断のためにはカテーテル検査が必要となります。状況によりご希望に添えないこともありますが、検査を希望される患者さまがいらっしゃいましたら、ご紹介ください。

ペースメーカー治療

失神や易疲労感、心不全を起こす症候性の徐脈性不整脈に対し、ペースメーカー植え込み術を行っています。植え込み後は当科ペースメーカー外来で引き続きフォローアップさせていただきます。
標準的にMRI対応可能なペースメーカーを採用しており、ペースメーカー留置後も待機的にMRI検査が可能です。当院はペースメーカー植え込み後のMRI検査についても施設基準を満たしておりますので、必要な患者さまがいらっしゃいましたら、当該診療科にご紹介ください。

下肢動脈カテーテル検査・治療

下肢の痺れや疼痛など症状を有する下肢閉塞性動脈硬化症に対してカテーテル治療を施行しております。閉塞病変や重症虚血肢に対するカテーテル治療も積極的に行っており、患者さまのQOLを上げられるように励んでいます。

下大静脈フィルター

下肢深部静脈血栓症は時に肺塞栓症を発症し、生命に関わる重篤な疾患です。血行動態が不安定場合は血栓溶解療法を行い、肺塞栓症のリスクが高い場合に下大静脈フィルター留置を行います。血栓が消退・消失し、肺塞栓のリスクが低下した場合、2~3週間を目途に下大静脈フィルターを除去します。

超音波(エコー)検査:心臓・下肢動脈・下肢静脈・頸動脈・腎動脈

当院はより循環器診療に役立てるよう、最新の超音波診断装置を導入しています。また、日本超音波医学会に認定された超音波専門医1名、超音波検査士が2名在籍しており、精度の高い検査を日々行っています。当院の超音波検査レポートには測定値だけではなく、測定結果を踏まえた評価や診断など診療の一助になれるようなコメントも記載しています。

心不全治療

近年、心不全入院は増加の一途を辿っており、心不全パンデミックに至っております。当院は最新のマスク型の非侵襲的人工呼吸器を多数導入しており、必要に応じて在宅でのマスク治療も継続して行っています。急性期より心不全の原因検査を行いつつ、薬物療法と併せて速やかな心不全の改善に努めています。
退院後に関しても通院が可能な場合、多くの症例では病状が安定するまで外来でフォローアップさせていただいております。病状が安定した慢性期には近隣の先生方に紹介させていただき、定期的な診療をお願いしております。
紹介させていただいた後、再度病状が悪化した際には当科で対応させていただきますので、お電話、あるいは地域連携室を介してご紹介ください。

心臓リハビリテーション

心臓リハビリテーションは心不全や心筋梗塞後の死亡率を約25%減らし、症状やQOLを改善させることが報告されています。当院には心臓リハビリテーション学会認定の指導士が数名在籍しており、医師の指示の下で積極的に心臓リハビリテーションに取り組んでいます。ご高齢の患者さまが多いため、運動耐容能やADLの改善のみでなく、家庭や施設、職場へスムーズに復帰ができるよう、理学療法に加え、作業療法や嚥下機能訓練も合わせて行っています。

診療実績

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
心臓CT 95件 109件 84件 45件 55件
冠動脈造影検査 319件 293件 263件 187件 175件
冠動脈カテーテル治療
うちAMIの緊急カテーテル治療
118件
32件
112件
29件
109件
24件
49件
19件
77件
26件
閉塞性動脈硬化症に対する血管内治療 13件 7件 3件 11件 13件
永久ペースメーカー植え込み術 21件 23件 23件 27件 19件
心エコー検査 1433件 1389件 1191件 1261件 1277件

医師紹介

循環器内科部長 災害医療副センター長 山﨑 宙

資格等 日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
日本循環器学会 循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会 認定医
日本DMAT隊員
所属学会 日本内科学会
日本循環器学会
日本心血管インターベンション治療学会
メッセージ 鳴門地域を中心とした徳島県北部の循環器診療を支えていけるよう、尽力させていただきます。また、地域の先生方におかれましては、急を要する場合は直接お電話いただければ有難く存じます。

循環器内科医長 根岸 佑典

資格等
所属学会 日本内科学会
日本循環器学会
メッセージ 皆様の健康のお役に立てるよう精一杯頑張ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

循環器内科医員 折野 逸人

資格等
所属学会 日本内科学会
日本循環器学会
メッセージ よろしくお願い申し上げます。