手の外科センター CENTER FOR HANDS SURGERY
手の外科
特徴
当院には手の外科センターがあり、手指の障害・外傷の治療を専門に行っており、徳島県内全域のみならず、徳島県外からの救急疾患、紹介患者にも対応しています。
手の外科の治療は新鮮外傷と陳旧例の再建、慢性変性疾患に分けられます。上肢機能の改善のために手術治療およびその前後にハンドセラピストがリハビリテーションを行います。
主な対象疾患
- 新鮮外傷:上肢および手指の骨折、脱臼、腱断裂、四肢・手指の切断。
- 外傷後の陳旧例:外傷後の組織欠損
- 慢性変性疾患:バネ指、変形性関節症(ヘバーデン結節、CM関節症、変形性手関節症)、 絞扼性神経障害(手根管症候群、ギヨン管症候群、肘部管症候群)
新鮮外傷
- 上肢および手指の骨折・脱臼は手指の良好な機能を回復するようにギプス療法、手術療法もしくはその両方を用いて治療しています。
- 手関節の橈骨遠位端の骨折は骨粗鬆症のある方に多く、上肢の骨折の中で最も頻度が高いです。転位がある場合は積極的に手術治療を行い、早期から手関節機能の回復を目指しています。関節部まで骨折がいたっている場合は手関節鏡を用いて関節面の整復を行っています。
橈骨遠位端骨折に対する関節鏡視下整復
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整復前
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整復後
- 腱の断裂には腱修復術後、ハンドセラピストの指導の下、早期より可動域訓練を開始し、手指の曲げ伸ばしをできるだけ元の位置まで回復するように治療しています。
- 四肢・手指の切断に対してはマイクロサージャリー技術を使って再接着術を行っています。
切断指の再接着
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拇指の切断
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再接着術後
外傷後の陳旧例
外傷後の組織欠損例にはマイクロサージャリー技術を使って遊離複合組織移植による再建を行っています。
切断指に対する組織再建
環指・小指切断に対する第1、2趾から遊離組織移植
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術後の環指・小指。優れた整容を獲得
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ドナーとなった足趾の整容も問題ない
慢性変性疾患
- 変形性関節症やそれに付随する腱断裂に対しては関節形成術および腱移植術や腱移行術を行い、疼痛緩和や指の動きの再建を行っています。
- 扼性性神経障害に対して除圧術、神経剥離術、神経移行術に加え、麻痺手の機能再建には腱移行術を行っています。
正中神経麻痺による母指対立不全に対する再建術
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つまみ運動障害
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腱移行術によるつまみ運動の再建
診療実績
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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手の外科手術件数 | 625件 | 574件 | 564件 | 589件 |
上肢の骨折 | 133件 | 128件 | 133件 | 156件 |
末梢神経障害・損傷 | 100件 | 98件 | 78件 | 97件 |
腱鞘切開術 | 112件 | 97件 | 103件 | 122件 |
関節疾患(変形性関節症、関節拘縮等) | 32件 | 33件 | 30件 | 29件 |
マイクロサージャリー(切断指再接着含む) | 41件 | 37件 | 30件 | 36件 |
その他 | 207件 | 181件 | 190件 | 149件 |
医師紹介
手の外科センター長 整形外科部長 日比野 直仁
資格等 | 日本整形外科学会 整形外科専門医 日本手外科学会 認定手外科専門医・手外科指導医・代議員 日本マイクロサージャリー学会 評議員 日本肘関節学会 評議員 中部日本整形外科災害外科学会 評議員 |
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所属学会 | 日本整形外科学会 日本手外科学会 日本マイクロサージャリー学会 日本肘関節学会 |
メッセージ | 手の疾患、外傷を中心に診療を行っています。 |